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汗の仕組みと働き 2つの汗腺の違いと役割とは

      2016/02/23

ワキの汗や、顔にかく汗など、汗っかきには何とも悩ましいこの「汗」ですが、本来の汗の仕組みや意味を理解していないと自分にあった対策も立てることは出来ません。

ここではそんな汗に関する基礎知識をお伝えします。

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なぜ汗をかくの?汗が必要な理由とは?

私たちは季節を問わず年中汗をかいているのですが、汗にはどんな役割があるのでしょうか?

人が活動するためには体を動かすためのエネルギーが必要です。
そのエネルギーは食べたものを消化し分解・合成することによって得ることが出来ますが、その時、細胞レベルで見てみると体内ではいろんな酵素が使われて代謝が行われています。

体内で代謝が行われるとそこには熱が発生します。
そのまま体温が上がって45℃付近になると体の中のたんぱく質が変性し破壊されてしまい、死に至ることになります。
そうならないために人は汗をかくことで体温を調整し熱から体を守っているのです。

体の機能を最適にキープできるとされる体温は37℃弱と言われていますが、それは脳細胞の酵素の活性が最も高まる温度が37℃台だからなんです。

汗をかくメカニズム 発汗はどのように行われているの?

体の中で代謝がもっとも盛んに行われているのは脳細胞です。

脳細胞は体温のほんの少しの変化にも敏感に反応します。
体温調整中枢は脳の中の視床下部という場所にあり、常に37℃に調整出来るように汗をコントロールしています。

気温が上がって皮膚表面の温度が上がると、皮膚にある温度受容器がその変化を感じ、その情報が視覚神経をとおして視床下部の体温調整中枢に送られます。

そして視床下部から脊髄を通り、交感神経を通じでエクリン腺と呼ばれる汗を分泌する汗腺信号が送られます。

この信号が交感神経の末端部分まで到達すると、伝達物質のアセチルコリンが放出されて、汗腺の細胞にあるレセプターと結合し、発汗活動を促進します。

これにより汗が皮膚面に出て自然に蒸発し、気化熱によって皮膚から熱を奪い体温を下げているのです。

 

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汗を分泌するエクリン腺とアポクリン腺について

汗を分泌する腺は、エクリン腺アポクリン腺の2種類あります。

私たちが通常汗をかくと感じている汗はエクリン腺によって分泌され、ワキガ臭の原因となる汗はアポクリン腺で分泌されています。

エクリン腺とは

エクリン腺の汗の役割は、
体温調節のための「温熱性発汗」
緊張したり驚いたりした時の「精神性発汗」
辛いものを食べた時に額や鼻の上にかく「味覚性発汗」
の3種類あります。

多汗とされるのは、精神性発汗から起こる汗の異常を指し、エクリン腺の密度が高い手のひらや足の裏に出やすいのが特徴です。

アポクリン腺とは

アポクリン腺は体のごく限られた部分にあります。

ほとんどはワキの下で、乳輪、へその周囲、外耳道、外陰部、肛門周囲に、ごく少数存在することがあります。

アポクリン腺の役割は体温調節ではなく、体臭の原因となる汗を産生することです。

本来は動物のフェロモンのように異性を惹きつけたり、自他を識別したりする手段としての役割を担っていたはずで、その体臭は個性でもありました。

しかし、人間のアポクリン腺は進化の過程で徐々に退化し、今ではそのにおいはワキガ臭とされています。

本来汗は臭くない!エクリン腺の汗は99%以上が水

エクリン腺の汗は99%以上が水です。
ですので本来汗自体は臭くはないのです。

汗の構成成分は血漿(血液から赤血球や白血球、血小板などを除いた液体)とほぼ同じで、違いと言えば濃度が異なっているだけです。

一方、アポクリン腺の汗の役割は個性的なにおいを作ることですから成分も様々なものが含まれています。

分泌の仕方も異なっている

エクリン腺とアポクリン腺では汗の成分が異なっていますが、それは汗の分泌の違いから来ています。

エクリン腺の汗は原液となるものが腺体と呼ばれる分泌管で、血漿から作られています。
この液体は血漿と同じくらいの塩分濃度になっています。

それが導管を通って皮膚の表面に出てくる間に、ナトリウムや塩素などが血漿に再吸収されてしまいます。
それで汗として出てくるときには、塩分濃度が薄い状態になっているのです。

一方でアポクリン腺の分泌液は腺体細胞の一部がちぎれたり、離脱したり、細胞内の物質が外に吐き出されるような形で産出され、多彩な物質を大量に含んで排出されます。
このため、エクリン腺の汗よりアポクリン腺の汗は不透明で粘り気があります。

汗には良い汗と悪い汗がある

基本的に汗はエクリン腺から分泌されるのですが、汗として出る前に汗の原液から血漿の成分だけ血管に戻される機能が十分に果たされていれば汗はさらさらになります。

しかし血管に再吸収される機能は完全には出来上がっていないのが現実です。
そのため血漿の成分がごく微量ではあるけれども体の外に排出されてしまいます。

そこで、血漿成分を血管に再吸収できた汗を「良い汗」 血漿成分を再吸収出来なかった汗を「悪い汗」と呼ぶ専門家もいます。

良い汗は、濃度が薄くてサラサラしており水に近い成分です。
そのため肌表面にでてきても直ぐに蒸発して、その結果体温調節をうまくコントロール出来るのです。

悪い汗は濃度が濃くネバネバしています。
ですのでなかなか蒸発しにくく、また体に必要なミネラル分も含まれているので、疲労の原因になったりします。

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