高齢者の熱中症予防で気を付ける事と水分補給 室温の調整
2016/09/06
熱中症が原因で救急搬送される人の中で、高齢者(65歳以上)の占める割合はおよそ半分となっています。
高齢者と同居されている方にとっては心配な数値ですね。
たしかに高齢者は熱中症になりやすいですが、周りのサポートがあれば予防することは十分にできます。
そこでここでは
・熱中症予防に欠かせない水分補給
・屋内で熱中症にならないための室温調整
高齢者の熱中症予防で気をつける事は?
高齢者が熱中症になりやすい理由としては、加齢によって、汗をかいたり血液循環によって体内の熱を外に逃がすという体温調整の働きが低下していることが大きな原因です。
また、もともと若い世代にくらべて体内の水分量が少なかったり、実際には暑いんだけれど暑さを感じないという特徴があります。
高齢者は皮膚の間隔が低下していて、気温の上昇を察知しにくくなっているのです。
ですので家族など周りの人が気温の変化に配慮してサポートしてあげることがとっても大事になってきます。
簡単にできる方法としては、窓を開けて風通しを良くしたり、すだれ等を使って直射日光を遮断するなど、部屋の温度が上がらないようにする、などがあります。
高齢者の熱中症予防のための水分補給法
ポイント:のどが渇くまえに水分補給をするように促す!!
高齢になると、若い時に比べ体の中の水分量が減少します。
これは、人の体の中で水分を多く含む場所と言うのは実は「筋肉」なんです。
それで加齢に伴って筋肉量が減少するために、体内に蓄えておける水分量が少なくなる、というわけです。
ですので少し汗をかいた場合でも脱水状態になりやすくなります。
熱中症を予防するためには、こまめな水分補給がとても大切です。
しかし高齢者はのどの渇きを感じにくくなっていますし、トイレが近くなることを嫌い水分を控えてしまう傾向があります。
ですので周りの人が積極的に声をかけて、水分補給を促すようにしてください。
水分補給のポイントは?
喉が渇いてなくても水分補給
高齢者はのどの渇きを感じた頃には脱水症状が始まっています。
1時間に1回を目安に定期的に水分補給をするよう声をかけてください。
水分はどのくらい飲めば良い?
1回に飲む量はコップ半分から1杯(100ml~200ml)くらいで大丈夫です。
逆にたくさん飲んでしまうと、水が胃に溜まってしまって食欲不振の原因にもなります。
お風呂に入るときにもお水を!!
40℃のお湯に10分浸かると、およそ500mlの水分が失われると言われています。
脱水を予防するためにも入浴の前後にコップ1杯の水を飲むようにすすめてください。
就寝前にも水分補給を
寝ている間も汗をかくので、体内の水分は失われていきます。
高齢者の方は夜中にトイレに行くことを避けるためになるべく水分を取らない、という方が多いです。
しかし就寝中でも熱中症は起きますので、そのことを理解してもらって、寝る前にコップ1杯の水を飲むように勧めましょう。
高齢者が熱中症にならないための室温調節
お年寄りの中にはエアコンの風邪が体に良くないと思っている方や、エアコンは電気代がかかることを気にしてエアコンを使わず暑さを我慢している人も多いです。
ところが熱中症で救急搬送される場合の多くが、部屋の中でエアコンを使っていなかったことによるんです。
ですので熱中症の危険性を十分理解してもらい、エアコン等の冷房機器を使うように勧めてください、
温度計を置くことも予防には有効です
高齢者は、温度が変化することに対する皮膚の感受性が低下していて暑さを感じにくくなっています。
このような場合、温度計を目の見えるところに置くと、目で見て暑さを実感できるようになるので、ぜひ設置してみてくださいね、
室温の目安は、温度が28℃、湿度は60%以下が目安です。
湿度が高い場合は、エアコンの除湿機能を使って湿度を下げるようにしてください。
まとめ
お年寄りは加齢の影響で暑さを感じにくくなっています。
またエアコンに対する間違った認識も持っているので、つい暑くても我慢してしまう傾向にあります。
周りの人達が高齢者の様子を観察して、適切に対応することが高齢者の熱中症を防止するのに最善の方法になります。